私は大丈夫
まだ頑張れる

　　　　　　　　　　　　　　『本当に？』

私はまだ大丈夫よ
まだ頑張れる

　　　　　　　　　　　　　　『本当にそう思ってる？』

頑張れ、頑張れ

　　　　　　　　　　　　　　『本当は頑張りたくないんじゃないの？』

自分に言い聞かせる

　　　　　　　　　　　　　　『言い聞かせないと負けそうだから？』

涙は流さない
流すことは許さない

　　　　　　　　　　　　　　『負けてしまいそうだから？』

まだやることがあるから
やるべきことがあるから

　　　　　　　　　　　　　　『やりたくないのに？』

私は強いから
弱さはいらない

　　　　　　　　　　　　　　『私は弱いと誰かに認めて欲しいのでしょう？』

優しさはいらない
受け取ることは出来ない

　　　　　　　　　　　　　　『優しさを受け取るとは自分の弱さを認めることになるからでしょう？』

下は見ない
前しか見ない

　　　　　　　　　　　　　　『足下を見たらくずれてしまいそうだから？』

過去はいらない
欲しいのは未来だけ

　　　　　　　　　　　　　　『自分の弱さに負けてしまわないように？』

昨日はいらない
明日しかいらない

　　　　　　　　　　　　　　『認めなさい。自分の弱さを』

弱くない
私は弱くない！

　　　　　　　　　　　　　　『ならなぜ過去をみないの？』

見る必要がない
私は強いから

　　　　　　　　　　　　　　『…あなたの強さとは何？』

私の強さ…
それは自分一人で生きていく事

　　　　　　　　　　　　　　『そんなもの強さとは言わない。本当の強さとは…』

うるさい！
黙ってよっ！！

　　　　　　　　　　　　　　『分かっているのでしょう？本当の強さとは自分の弱さを認めることだって』

聞こえない！
聞きたくない！！

　　　　　　　　　　　　　　『認めなさい』

認めてしまったら私は私に負けてしまう！
倒れてしまう！！

　　　　　　　　　　　　　　『大丈夫よ、あなたは負けない。倒れることはない』

本当に？
私は負けない？

　　　　　　　　　　　　　　『えぇ。もし負けてしまってもまた立ち上がれば良いわ』

そんなの無理よ！
立ち上がれない!!

　　　　　　　　　　　　　　『何度もやってみなさい。道は必ず開くわ』

そんなの嘘よ！
道は開かない！！

　　　　　　　　　　　　　　『いいえ、道は必ず開くわ。そうして人は歴史をつくってきた』

私は起きあがれるの？
歴史はそうしてつくられてきたの？

　　　　　　　　　　　　　　『えぇ、人は諦めなかった。弱さを強さに変えて生きてきたのよ』

私も諦めないで頑張れるかな？
強くなれるかな？

　　　　　　　　　　　　　　『大丈夫よ。あなたは弱さを認める勇気がある』

勇気？

　　　　　　　　　　　　　　『そう、勇気よ。あなたは私の話を聞き入れているもの』

あなたの話？
あなたは誰？

　　　　　　　　　　　　　　『私はあなたの弱さ。だからもう大丈夫よ』

私は…進めるのね？

　　　　　　　　　　　　　　『えぇ、大丈夫。…ほら道が開けた』