目の坂
ヨルノテガム
たまごが転んだ
起き上がれない
それ、これ、うつむきながら
あれはうつむくのかしら
コーヒー飲むのかしら
お茶碗は棺桶かしら
たまごが震えた
喜びも悲しみも
巻尺は何も無かった
恐竜でさえうずらでさえダチョウでさえ
まだ名前も無かった
ひと呼吸めの発見が存在の何たるかを形成していくなら
いつまでも生まれていたいし震えていたい
たまごが息を止めている
こいつは中々挑戦者であるな
僅かな力を押さえに押さえて あるとき
ニワトリは飛行機を先導する
生卵は納豆を包み込む愛情が湧く
いま、殻の割れ目が怖ろしくも美しい川であるナ