あ、


滲んで溶けて 輪郭からはみ出した信号機の青

赤を促す



だった筈の際は
もうどこにもなく
四肢を折られた傘が転がっている


刹那 が
辞書の中で絞め殺されていく
ページを開くその隙間に逃げようと
いつもいつも
もがいてる



アルコール臭のする席に雨はいない
どんよりと曇る空に雨はいない
ただその振動と インクと木炭で刻まれた 雨 だけが
その存在を知っている


ドアは四方にある
けれど鍵などどこにもない
鍵穴が必要なのは
理屈が必要な私達だけなのだから


自由詩 あ、 Copyright  2007-09-06 22:50:13
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