じくじく、と
柳瀬

壊すように 殴るように 泣くように 
優しく守りながら
戸惑うように 選択して
穴だらけの裸体に 涙を注いだあとに

君が叫びながら眠る押入の中
か細い腕を切り裂く空の爆音も全部
吐きながら抱き締めて消して

ぬくもりのゆりかご
冷たいケチャップライス

ここには口先で出来ているものなんて
一つもなかったのに

今日も誰かさん達に潰された
偽物の性器が
世界の小さな心臓を
突き破っていく夢を見る


自由詩 じくじく、と Copyright 柳瀬 2007-09-06 10:37:58
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