ひまわり
宮市菜央

灼熱に縛られて身動きがとれない
陽炎のように揺らめく空気の向こうにひまわりが咲いている
遠い遠いひまわり
近づこうと足を踏み出そうとしてよろめく
向こうで揺らめくひまわりは
私の儚い夢のよう

遠く、近く燃えさかって私を惑わせる

灼熱のひまわりに哀しい記憶がよみがえる
くるくると脳裏を回って聴こえる子守り唄
喉が渇く 涙が出る
手を伸ばして青空を掻きむしる
ああ、早く秋になればいい
秋には秋の哀しみと涙があろうとも


自由詩 ひまわり Copyright 宮市菜央 2007-09-06 10:21:01
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