1 g の マトンにかける夢
プル式

UFOニサラワレテミタイ
そんな事を考えながら
グジグジと鼻の脂をティッシュでふき取り
ぼんやりとした
雨に霞んだ夜の街に手を伸ばしながら
ああ、雨
なんて当たり前の見て判るような反応しか
出来ない僕

携帯ニメールクレバイイノニ
そんな事を願いながら
パコパコと開け閉めしながらズボンで画面を拭き
ふんわりとした
パステルの匂いに引かれながら人に流され
ああ、クレープ
なんてお腹がすいたでもなくおいしいでもなく退屈な反応で
着信に気付かれない携帯

お医者様と少年トイウハナシミタイニナリタイ
そんな事を考えながら
ヒソヒソと退化していく足の指を動かし
うとうととした
ネムリに揺らいだ目の前の世界を眺めながら
ああ、象
なんて夢と現実の区別が曖昧な中でしか
生きていけない2本足の象


自由詩 1 g の マトンにかける夢 Copyright プル式 2007-09-06 01:34:51
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