空礫
朱雀
空礫(そらつぶて)
逝く夏の けわいに歌う影法師
諦念
(
ていねん
)
観念
綯
(
な
)
い交ぜの
見果てぬ夢を引き連れて
尻切れトンボの数え歌
陽炎
(
かげろう
)
稲妻 水の月
虚しき空に
礫
(
いしつぶて
)
形見の色の残映が
モノクロームに くしゃりと歪む
風息
(
かざいき
)
に奪い去られる別れ際
煤けたトタン塀を背に
荒れた空き地に咲く百合の
潔さが胸を突く
自由詩
空礫
Copyright
朱雀
2007-09-05 00:30:25