帰省
唐草フウ

ひさしぶりに会う
という 感覚は
目の前がはにかんで
人見知りのふりをして

かよっている
流れの果てには、どこ
時間の果てには、なにも


少しずつ、はなれてゆくね
さみしくなんてない
この手に ながれる


青い山白い空緑の雲
とんぼスイスイス 迎えに 送り火に
声をしらせに来てくれたの
ジッと跳んで にげたアブラゼミ
終焉が近いと 夏の残りは

もうこのせかいにはいないね
触れないし 話せない
でもおもいでを持ちだすと
ちゃあんと 覚えてる
全身が   覚えてる


よく暑いなか、来たね
わたしたちは羽根をいつもつけて






自由詩 帰省 Copyright 唐草フウ 2007-09-04 17:21:14
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