ハイミルク ハイライト
ウデラコウ

そしてまた 君は
何度も何度も 振り返っては
僕に手を振って

泣き出しそうな 笑顔のまま
夕暮れの雑踏の中に
ゆっくりゆっくり 消えていく

そんなにゆっくり歩いたら
電車に乗り遅れるぞって
わざと明るく 言ってやろうかとも
思ったけど

そんなこと言ってたら 僕の方が
君を追いかけに
行ってしまいそうで

作り笑いで 精一杯 手を振る
今なら 世界一の名優にだって なれるだろう

堪えきれず溢れる涙を
道行く人々に 見られないようにと
上を向いたり 下を向いたり

これじゃもっと不自然だと 苦笑いを浮かべながら
一人何度も瞬きを 繰り返して

また今度も 電光石火の如く過ぎる
僕達の時間
ハイミルクの甘ったるい味だけ残して
ハイライトは何て格好良い僕達

モノクロームの中のように 
幸せだけ集めて型を抜いた
唯一無二の休暇

ベッドに横たわって 僕は詩を綴って
黒にゃんこのちゃぶ台で 君はずっとしかめっ面

歌う君 踊る僕 
全てハイミルクに溶かして
線香花火と 溶け出す蝋
八月末日 ハイライト

歯ブラシを置いてったのはワザとだろう
上手いな全く
カランと乾いた音と笑う僕
二つの歯ブラシ一つのコップ

冷えすぎたプリン ぬるすぎるアイスティー
あっという間に 消えたグラタン

また おいでよ
此処は君の 第三の故郷
僕はいつでも 笑顔で迎えに行く

暗闇のラブレター 寝ぼけたキス
全てハイミルクの 甘い甘い 逢瀬

消える八月 回る運命
ハイライトのハジマリは 全ての始まり

何もかも極上のチョコレート
真っ赤なハイミルク

何もかも奇跡で運命
一瞬一瞬が 君と僕の ハイライト




自由詩 ハイミルク ハイライト Copyright ウデラコウ 2007-09-02 15:49:09
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おもい