カーテン
小川 葉

カーテンが
レールをすべる速度で
ひかりは生まれ
わたしの部屋に
朝をさしこむ

レースを通過した
木漏れ日から
光をひとつ選び
手に入れることなど
できない
あやふやな瞬間が
こくこくと生まれては
消えていく

椅子にすわる
次の場面にあなたは
もういない

カーテンが
レールをすべり
速度だけを生み

わたしが
わたしであるように
時は時で
あろうとする


自由詩 カーテン Copyright 小川 葉 2007-09-02 03:39:27
notebook Home 戻る