月蝕
乱太郎
なにかが欠けていたのだろう
あなたに伝えること
いま
全裸を隠そうとしている
この月のように
僕があなたを
少しずつ愛していった
はずなのに
あなたは
不信で覆われていく
本当に愛されているのか
と
辛かったに違いない
雫にもならない涙を
きっと夜中の流れ星に乗せて
ごめんなさい
優しい思い出だったはずなのに
あなたは
黒い影に染まっていった
許して
なんて遅すぎる言い訳
いつもの輝きが閉じられて
姿を消そうとする満月
時の振り子も止まってしまう瞬間
あなたがいた
そう呟いた
自由詩
月蝕
Copyright
乱太郎
2007-09-01 17:57:57
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