白い一日
まどろむ海月






軒下にぶらさがって
死んでいる私

どうしてこんなことになったのかと
突っついてみるのだが
むなしく揺れるばかりで
答えるはずもない




 霧のように
 あなたへの扉は
 いつも白い

 かなえられない恋なので
 せめてその肌のような白さの中に
 たゆたっていたいと思ったら
 いつか私の想いは
 紅斑の鯉になって
 入水していたのだ


 水面を見上げると
 白いスカートをひらめかせて
 私の一番好きな足が
 差し伸べられた

 やわらかい
 陶器のような肌に
 身体をすり寄せると
 夢なのか妄想なのか
 もうどうでもよくなって
 こんなふうに生まれかわれるなら
 死んでしまうのもいいかな
 なんて




そんなことを
想ったのが
いけなかったかと
それぐらいしか
思い浮かばない



そろそろ
はずしたほうがいい
風鈴のように
揺れている自分から
遠ざかり

あてもない旅の
白い起伏を
さまよって
います




    








自由詩 白い一日 Copyright まどろむ海月 2007-08-31 20:01:52
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