雨
刑部憲暁
空が生クリームをあわだてたようだから
もうすぐ雨がおちてくるころ
ぼくの足もとは
草原の小径にかわり
土のにおいが 近づいてきた
傘をひらくと傘のなかに
しずかな足音がひびいた
歩いているひとがいる
やさしいじじつ
この雨は すぐに
長雨にかわる
ゆっくりと長くのびた雨粒が
いつまでもここに
おちてこない
自由詩
雨
Copyright
刑部憲暁
2007-08-31 19:06:41
縦