調律される、夕暮れの中で
かのこ
思わず息がこぼれて
あたしは君への思いで
この身体は調律される
もうすぐ終わっていく
そんな情景、君がいない
君の追憶には存在しない
特別でも何でもない
あの丘にまた、夕暮れが降る
時間を追いかけるように
ひとつずつ鍵盤を並べていく
白と黒の優しさ、その狭間で
ずっと同じように見えていた景色も
表情を含み、笑ってみせてくれる
身体の中心に棲んでいる
熱はいま、声になってこぼれた
鮮やかな音色で、聞かせてよ
自由詩
調律される、夕暮れの中で
Copyright
かのこ
2007-08-30 20:34:02