着色される風景
草野大悟

まっ白いシーツが
かぜのように気まぐれに
ふっとためいきをついたとき
けずられたきみの脳は
まわりの景色に色をつける。

くりかえされる
ひかりのみえない毎日を
記憶から消し去り
どんどんどんどん
消し去り
きみは
窓の外にひろがる君自身を
眺めている。

ちいさな雲のむこうで
はじけるように笑っているのは
確かにきみのあのころ
丘の上に浮かんでいる双眸は
たしかにきみの心
そして、ほら
純粋は体操している。

あの日から二年
雲の上に
きみが座った日
青空いっぱいに
咲きほこるひまわりを
見た。


自由詩 着色される風景 Copyright 草野大悟 2007-08-30 18:06:07
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