電話越しのあなたを、
哀詩
きみのあいが何故か痛い日。
あたし達は未熟だからね、
(上手なやさしさの提供の仕方がわからない。)
不器用ではないのよ、あたし達。
誰でも最初は戸惑うものね。
(教科書に載っていたあいの作り方をあたし達は知っている。)
きみのやさしさが何故か酷く痛むんだ。
強引に掴みとってくれたらね、
あたしは考えないですむのにね、
その無駄に大きな左手は
あたしの なみだ すら拭い取ることをしらないね。
(初心ですませてしまえれば簡単だけど)
きみのこころが何故か痛むんだよ。
すきと言えないくちびるが閉ざせば
めくるめく夢の世界が終業のベルを告げ、
あいした覚えのない脳みそは
やがて気泡になってはじけ飛ぶのね。
(せめてソーダのそれなら甘い情感が、)
君の左手薬指が痛むんだろう
(外せない指輪は鎖にしかなりえないの?)
夜、0時15分。
曲線上のボタン達の手前、
(最後のあかい光をみどりにしようと 待っている。)