電話越しのあなたを、
哀詩

 

きみのあいが何故か痛い日。

あたし達は未熟だからね、
(上手なやさしさの提供の仕方がわからない。)
不器用ではないのよ、あたし達。
誰でも最初は戸惑うものね。
(教科書に載っていたあいの作り方をあたし達は知っている。)

きみのやさしさが何故か酷く痛むんだ。

強引に掴みとってくれたらね、
あたしは考えないですむのにね、
その無駄に大きな左手は
あたしの なみだ すら拭い取ることをしらないね。
(初心ですませてしまえれば簡単だけど)

きみのこころが何故か痛むんだよ。

すきと言えないくちびるが閉ざせば
めくるめく夢の世界が終業のベルを告げ、
あいした覚えのない脳みそは
やがて気泡になってはじけ飛ぶのね。
(せめてソーダのそれなら甘い情感が、)


君の左手薬指が痛むんだろう
(外せない指輪は鎖にしかなりえないの?)



夜、0時15分。
曲線上のボタン達の手前、
(最後のあかい光をみどりにしようと 待っている。)

 


自由詩 電話越しのあなたを、 Copyright 哀詩 2007-08-29 07:21:26
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