踏切草
umineko
父が逝ってしまったあとも
私たちは変わらなかった
私は
時々メールを送る
ふるさとの母に宛て
その辺の草木とか
カシャリ、と撮って
しばらくして
母が大げさに
電話をしてくる
愛ちゃん
あれは昼顔よ
へー
アサガオかと思ったし
さみしさは
ここにいないことでなく
ただ
誰かのために生きること
その誰かを失った
母をみて
私は思う
誰のため
私は生きているのだろう
誰を
支えているのだろう
生きるという
その連鎖の
私の次がわからない
ずっとずっと自由だった
そしてそのまま
孤独だった