反射熱
umineko

遅刻の朝
川沿いの道を
自転車で走る

もう
どのみち間に合わないので
鼻歌混じりで
ゆっくり走る

交差点でひしめき合う
白シャツの高校生たちも
子供を乗せたママも
いない

空がぽっかりと仰いでいる

風も木も
空の青さも
うそのように静かで

私は
世界と無関係だ

マウンテンバイクの
ペダルを踏み込んで

行方知れずになってしまおう

信号を抜け
オフィスを泳いで

誰も私を探さない

探してなんか
いない





自由詩 反射熱 Copyright umineko 2007-08-28 22:48:44
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