午後の寂寥
智鶴

遠くには浮かぶ朱色
それに染まる無垢の白
太陽は目を閉じて
月はまだ眠りの中に

始まることは辛く
終わることは切なく、寂しい
揺らぐ夕映えに金色に
儚く日々を追う

いつか、泳ぐ歌は沈み
千切れたそれは、まるで鳥のように
此処からは見えないほど
遠く、遠く
刹那に閉じた夢を追って

震える掌に言葉を乗せ
風に漂う命として

影も謡う夕暮れ
伸びる煙を吐いて
千年先に生きて
億年前に朽ち果てた

いつか、此処に傷を抱え
帰る声が終わりを告げ
果てぬ夢を
続く意味を
此処に確かに掴めることを

遠く、遠く
刹那に閉じた夢を追って
いつか此処で
再び目覚めるように


自由詩 午後の寂寥 Copyright 智鶴 2007-08-28 22:04:56
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