深夜の揺らめき
ゆるこ

 
 
雨のなか
途切れた呼吸が
虫のように
ぴゅうぴゅうと
 
もれる空気音は
太陽の沈む音のようで
酸素ボンベのようで
 
どのみち消えてしまう手首に
そっとくちづけした夜は
まるでショッキングなそら
鮮やかに滲み出す
 
汗まみれで主張しても
なにも繋がらないピアノ線
研ぎ澄まされたなかで
わたしは最後の音を聞く
 
 
どこかの孤独が繋いだ夜
目を塞いで
余計を見ないでいる心が
ただ傾ける弱い耳
 
(おわりだよ、
(ゲームセットさ
 
 
僅かな隙間風
世界を彩るのか
望んだ陽炎は
死んだと、いうのに


自由詩 深夜の揺らめき Copyright ゆるこ 2007-08-28 01:39:42
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