蒸発アスファルト
零椅


きみを想い
アスファルトが焦がれた
夏を想い
アスファルトが焦げた

鼻をつく異臭より早く
むせ返るような暑さがこみ上げ
無意識をも意識させる

無視など許されないように
アスファルトの悲鳴は
夏の助けをかりて町中に響く


人の体温を蒸発させる勢いは
人の情熱を奮い立たせている


水を撒け
アスファルトを沈めてしまえ


自由詩 蒸発アスファルト Copyright 零椅 2007-08-28 00:54:20
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