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山中 烏流
問い掛ける意味だけを
孕んでいた、真夏の空白に
小さく区切りを入れては
その隙間から
意味を取り出していく
握り締めたアスファルトに
肌が
焼けただれていくのを
私は知らないふりをして
独りきりで
あの日の、死体ごっこの続き
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祭の日にだけ
降り続いていた涙は
夜を平らに均して
沈黙を守らせている
朝起きて
ベランダに出てみると
風鈴がはじけていて
私の足に
きりりと、華を咲かせた
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自分との交換ノートを
黒鉛で塗り潰す
それを見ていた母親は
昨日
知らない子供を連れていた
ベビーカーに火をつけて
畳に埋もれた私を
多分
蝉だけが知っている
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初めて
化けることを覚えた日
私は私であることを
忘れてしまいたかった
沢山の言葉が
耳をくすぐった境内で
私の名前だけを
見つけられなかった
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15歳、夏
子供という意味を
私はまだ、覚えていない。