日常の中
眞山小桃。

無気力な日々を過ごした助手席で明ける夜から逃げ続けていた


草むらに仔猫のように丸まったビニール袋が孤独をくるむ


光無き音の世界の悪夢なら早く醒めてと手を震わせて


口走る言葉の影に後悔の泳ぐ瞳と意地悪な舌


土の中下へ下へと根を張ればやがて幸せが姿を見せる


暖かい車の中で胸を打つ冬の香りとスノースケイプ


飛び出してきた自転車の横顔に第2コーナーの君を重ねる


日曜日、ハナウタまじりで歯ブラシが走る睫毛もよく上がってる


走り出す朝の電車に乗り込んだ誰も知らない顔の私が


短歌 日常の中 Copyright 眞山小桃。 2007-08-25 13:31:09
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