献花 
服部 剛

喪服で参列する
一人ひとりが 
棺に横たわる亡骸へ 
花を捧げるごとに  

百歳の老婆の
寝顔はほころぶ 

火葬場で焼かれる  
老婆の百年 

晩夏の
蝉の鳴声響く 
夏空へ 
昇る  
ひとすじの煙 

喪服で参列した 
一人ひとりの胸に 
いつまでも消えない 
花に囲まれた 
老婆の寝顔 





未詩・独白 献花  Copyright 服部 剛 2007-08-24 22:54:20
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