いのり
見崎 光
世界中の小さな命
この手で抱きしめてやれたなら
痛みを背負ってやれそうな
自惚れに似た感覚を温めている
柔らかな声で愛を届ける唄い人
救われた夜を数えながら
抱き寄せる肩の小さな鼓動へ
ささやかな祈りを重ねた
時代を渡ってゆく術も持たないままに
今を生かされた子ども達
握りしめる種に
どんな夢を描いているのだろう
分かち合えない悔しさよりも
屈託のない笑みと
純な眼差しに
無力さの憤りを噛み締める
優しく包むその声は愛を捧げる唄い人
何処までも続く空に託した
“いのり”を胸に
小さな命の大きな夢を
支えてゆくことだろう
世界中の小さな小さな手のひらに
希望の種が届きますように…
世界中の小さな翼が
愛を羽ばたけますように…
奏でゆく唄い人
救われた心を惜しみなく掲げ
祈りと共にその声を伝い、貴方と共に
子ども達を抱きしめにゆく
世界中の…