ゾウが支える世界の右で。
クスリ。
ゾウが支える世界の右で
小さく小さく座り込む
静かに赤い太陽が
ゾウが支える地面の下に
ゆっくりゆっくり、潜ってく
ゾウが支える世界の右で
夕日と虚無を眺めます
世界の涯に風が吹く
世界の右で日が沈む
僕は夕日の橙と
夜に良く似た世界の虚無に
ゆっくり石を投げました
小さい白い石でした
カラカラ世界の外側に
小さな石は落ちました
「パオウ」とゾウが言いました
世界の右のその下は
ゾウの頭があるそうです
僕はゆっくり立ち上がり
世界の左を振り返る
ゾウの愛したバナナの色の
三日月抱えた空を見る
世界を支えるゾウの宵
三日月静かに微笑んで
僕のシャドウを溶かします