ゾウが支える世界の右で。
クスリ。



ゾウが支える世界の右で
小さく小さく座り込む

静かに赤い太陽が
ゾウが支える地面の下に
ゆっくりゆっくり、潜ってく

ゾウが支える世界の右で
夕日と虚無を眺めます


世界の涯に風が吹く
世界の右で日が沈む


僕は夕日の橙と
夜に良く似た世界の虚無に
ゆっくり石を投げました

小さい白い石でした

カラカラ世界の外側に
小さな石は落ちました


「パオウ」とゾウが言いました


世界の右のその下は
ゾウの頭があるそうです


僕はゆっくり立ち上がり
世界の左を振り返る

ゾウの愛したバナナの色の
三日月抱えた空を見る


世界を支えるゾウの宵

三日月静かに微笑んで
僕のシャドウを溶かします



自由詩 ゾウが支える世界の右で。 Copyright クスリ。 2007-08-23 17:39:39
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