その海から(DIVA)
たもつ

木陰に砂糖菓子のような
駅をつくって
少女は列車を待ってる

関連づけられるものと
関連づけられないものとが
交互に、時には順序をかえて
やってくる
皮膚に触れば
それは風のことだと思う

力なく首のくずれる子犬は
数少ない死の経験であり
やがてはそのうちのひとつ
になるにちがいなかった

列車が来るまで少女は歌う
楽しげな童謡もあったが
知っているすべてを
歌うしかなかった
  


自由詩 その海から(DIVA) Copyright たもつ 2007-08-23 16:58:09
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詩群「その海から」