死に至る。
黒子 恭

 
 
月光も揺らるや海の真ん中で無き夢となり朝日を待つか
 
 
一人では死にきれぬ故か入り来た部屋の夜虫をまずは殺して
 
 
寂しくも悲しくもないよただ、ただ暗闇がずんと来るだけ
 
 
三階の窓から覗くあすはるとにいつか吸い込まれる気がする
 
 
何も無き、何も無き手かと見つめては溜め息も出ず握る剃刀
 
 
樹木も冷える暗き森の奥底で一人でしやるかくれんぼです
 
 
誰彼もまごうことなき来るものなので今この瞬間に死にたい
 
 
 
 
 
 


短歌 死に至る。 Copyright 黒子 恭 2007-08-22 06:18:04
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