白い少女
悠詩
公園のトイレの結界を破り
用を足そうとすると
紙がない
わたしは紙を探す旅に出た
トイレの予約は
忘れずに
回数券で地下鉄を一駅
街頭でティッシュ配りをしている
手に取ると
生理用品サンプル
裏路地にネコの群れ
ゴミ袋の楽園にて
毛だまりの中で自慰
赤い斑点からアルラウネ
猫に鈴はない
おしゃれネズミはどこだ
わたしは耳を尖らせ
病原菌を排泄し
ネコに鈴をつけた
* *
開かずの間になった公園のトイレ
裏路地に放置されたいた札束
悶死していたネコ
物騒なこともあるものだと
わたしは地下鉄に乗り
手に持っていた十一枚綴りの回数券を
握り締めた
十七歳は続く