酸っぱさ投げ込んで
ねこ歩き

うめぼしのソファーに座って
染み付いたズボンを僕ひとりだけで舐めた

醒めながら 醒めないよう

従順なイルカの飛沫の上で
一緒に眠ろうって誘い込んだけど 君は黙ったまま
いっそのこと抱こうかって考えていたけど 僕は優しくなる
君だけに

嬉しいな 続けばいいな 萎れそうなピンクに真っ赤な割れないガラスを着せてほしいな

うめぼしのソファーも腐って
沁み付いた時間を僕ひとりだけで眺めた

いつかまた 2人で見る

酸っぱい味 しょっぱい味 アンバランスだが 口移しで 何度も重ねていこう
片っ端から奇跡をぶちまけるつもりは これっぽちもない
君だけを望んで すべてを消化して これからを産む

だから めちゃくちゃに触れあう未来がある 
汗まみれのハードルをいくつも越えて

片隅で息を潜めながら生きているけど
ちゃっかり皮で包まれた心だけは持ってるのさ
暖かい部屋で そっと 震える灯りを灯すのを あのズボンで 歩きながら構える 今日


自由詩 酸っぱさ投げ込んで Copyright ねこ歩き 2007-08-20 19:20:03
notebook Home