遺言
北野つづみ

切れ ぎれの 言葉

あきらめて しまったのではなかったの?壊れた

どこか が 壊れた 回路を使って 

発信する 音波 短波 放送 ラジオの

音 声 が 強まったり弱まったりする ざらつく砂 手触り

夜 の言葉 が 難しい 伝わらなさ  雑音 あきらめ て

まだなにか言いたいことがあったの?

残っていたの?

天 にかがやく シリウス の 白いひかり

さびし い 狼 の独白

幾億万 光年も 離れた星のひかりたち

                  なぜ 

ああ そうやって語りかけるの語りかけようとするの 意味もなく

氾濫する おびただしく あるいは 

小さく 切れ ぎれに 細か く く だ け て 石 英の 

つ ぶ きらり と

沈む

つたわらないのこらないうごかないそよいでも

遠く とおく とお く なみの 発信源は 

海の底で ひっそりと涙 して い る




自由詩 遺言 Copyright 北野つづみ 2007-08-20 08:24:52
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