つぶやき
見崎 光
とうに心は朽ちている
廃墟のような重い空間と
隙間だらけの空しさが
戯言を吐き出しているにすぎない
風さえも知らぬふりを通し
荒らすほどの風景など
もう、無いに等しい
急に老け込んだのか
それとも
忘れてしまっただけなのか
筆など持てない有り様ながら
どこか、胸の遠くで
せかす雨垂れに囃されている
心はもう
とうの昔に、死んでいる
自由詩
つぶやき
Copyright
見崎 光
2007-08-19 23:47:27