風が吹くと
チアーヌ

夢の中で風に吹かれていた
耳の中を風が吹き抜けていて
頭の中まで涼しくなった

寂しいから一緒に住む人を探した
総理大臣とかそういう
忙しい人じゃない人だったら誰でも良かった
暑いのはイヤだったので
涼しい場所に風が抜ける
家を作った

木の寝台には鳥が寝ている
羽毛が抜けてふわふわと空中に漂っている

鳥は
足の裏でぴったりと
あなたの頬を挟んだ
毒々しい色のペディキュアを塗った足の指は
まるで生きているみたいにぐねぐねと動いた

穴に落ちるのがイヤだったから
木の上に住んだ
それに気がついたのがいつだったのか
もう覚えていない


自由詩 風が吹くと Copyright チアーヌ 2007-08-19 14:16:38
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