■共同作品■夏の扉に魔法をかける
Rin.




   「ツイン・ブルー」


エヴァー・ブルー恋に名前を付けるなら見つめあい回す地球儀の色

夏休み残りの日々を数えつつ青ばかり塗る絵日記の色



   「おやすみ」


銀夜行ミルキーウェイを風に乗り轍の煌(ひかり)を追うひとり旅

手探りに黒のグワッシュを白にのせ銀河絵日記きょうはスピカへ

「星つなぎ」ひとり遊びは会えぬ夜の 空に描(か)き出すあてなき手紙

真夜中に独り見上げる流星の はぐれた光辿ればデジャヴ

ひとみから流れる星はすれ違いいつか銀河の岸辺で出会う

流れ星見つけたきみの願いごと かなう時まで隣にいるよ

ロマンスカー終着駅はココロの扉(ドア)開ければ夜(やみ)も星(ひかり)に埋まる



  「あばんちゅーる」


靴を脱ぎ「足首だけ」と入る海 つま先の砂だけでも愉楽

空を割る銀の剣に切り裂かれ闇はひかりに想いは騎士へ

爪先の紅のマニキュア夜を裂きチェックメイト放熱の君

休日はマーマレイドの雨の中枕の吐息もオレンジにして



   「 夏の海にはサヨナラは言わない」


無人駅改札箱には夏が一枚降りれば海はもう一人占め

翼など海に沈んだ楽園に忘れたけれど翔べます歌で

三角のプリズム持って外に出て我が屈折を天日に晒す

太陽とたった1日だけの恋 それでも唄うエンドレスサマー

昼の熱肌と砂には記憶させ 心に夕陽抱いて去る海

海だから私の還える場所だから暮れてもラストサマーは告げぬ

返す波打ち際の石動かせず思い出ばかり曳いてゆく夏








短歌 ■共同作品■夏の扉に魔法をかける Copyright Rin. 2007-08-19 11:47:00
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