バオバブ
ルイーノ

 
 
 
こじつけの夢で
眠ること

なんといったって
莫伽なこと

未来都市での恋物語
蜘蛛の巣を辿り成就する
乱れた鱗色
思いのまま泳ぐ
美しきライト
氷の万年筆が地平を描き
肉体は立ちのぼる
ところでスパイダー
俺の肉体をどこに隠した
それは燐光の泉
細い歪み砂塵笑った
高速に離れゆくモーション


置き去りの
呼吸の底に響く鈴
染まりかけた
朝焼けか夕焼けの
どちらか
刻んだのは
永い夢の醒めはじめ
誰にも知られず溢れる
行方すら持たぬ歌だろ
なんだか白ける話だが
これからそいつが
証明される
草原は絶えず
視界を圧倒し広がり

風が駈けた無限
包みあげる赤光の鼓動
スパイダー
この胸の高鳴り
なんといったって
莫伽なこと
揺れていた
果実の永遠
その影に
なんという霞と沈黙
俺たちは
消え入るように泳いでる
 


自由詩 バオバブ Copyright ルイーノ 2007-08-19 00:28:56
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