すべてのものへ
たもつ



あまりの暑さにクーラーをつける
よほど暑かったのだろう
いろいろな動物たちが家に集まりはじめ
またたくまにいっぱいになった

長い部位をもっている動物はそれをたたんだ
肉食動物は捕食を慎んだ
水辺に住むものたちは水を欲しない
鳴くことも叫ぶこともせず
じっと冷気にあたっている

やがて夕方となり
窓の外にゆっくりと暮れる夕日を
みんなで眺めた
すべてのものへ何かを届けたい
そんな時間が終わり
動物たちは帰るべき場所に帰っていった
帰るべき場所のない数頭(匹)が
その夜、泊まった





自由詩 すべてのものへ Copyright たもつ 2004-05-26 08:42:16
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