さよならの砂
石瀬琳々

サンダルの指さき焼いて終わる夏
    さわぐ波音遠くに聞いて


誰もいないパラソル揺れて砂浜に
    思い出さえも続くスナップ


飲み干したカルピスウォーター氷だけ
    余るグラスに雲はながれる


脱ぎ捨てたサマードレスの消えぬ染み
    心ににじむ水玉模様


テーブルに白い貝殻残すだけ
    部屋にちらばるさよならの砂




短歌 さよならの砂 Copyright 石瀬琳々 2007-08-18 13:42:49
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薊道