ヘッセの拳銃
Tsu-Yo
机の引き出しに
ピストルを一丁しまった
これでよし
ピストルは人を殺めるために存在する
けれどそれを他人に向けることはなかった
滑らかな重みを持った銃口は
いつでも自分自身の頭に向けられた
人生の主人公は自分一人で充分だ
引き金を引くか引かないかは
たいした問題ではない
より死に近い場所で日々の喜びを探すこと
そして死者たちの声から多くを学ぶこと
――ヘルマン・ヘッセ
あなたはきっと
もっともよく生きた死人だった
自由詩
ヘッセの拳銃
Copyright
Tsu-Yo
2007-08-18 12:50:12
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