π≒
悠詩
電算機の描く夢は
完璧なシンメトリー
剥ぎ取られた発汗性を嘆くことなく
ぼくはきみの秘密を語り続ける
3.14159265358979323846264338327950288
贅沢なわがままが許せなかった
美しい収束を
逞しい極限を
共有し
享有し
それでも語り尽せない無理数を
気に病んでいることが
憎かった
πという名に満足できないのか?
ごまかしに我慢がならないのか?
その混沌を醜く思っているのか?
きみの体に含まれない数列はない
291 291
ニクイ ニクイ
42219
シニニイク
100
トマル
37564
ミナゴロシ
489
ジバク
02
オニ
104
テンシ
πに託けた穢れなき器は
限りない躍動の象徴
どんな言葉にも劣らないたった1文字を
きみ自身が否定するなら
πがπであることを誇るまで
ぼくはきみの秘密を語り続ける
その1文字に
決して敵わなくとも
語り続ける
限りないイコールに辿り着くまで
電算機は語り続ける