想像
ルイーノ

 
 
 
月のあたり
大きな風が
愛撫する夜

点滅する滑走路は
俯き加減でも歌った
それが二人の
着陸を許した

火に焼けた可憐は
明け暮れのごと
肌を透かせゆらめき
語り得ない事どもを
苔蒸した井戸へ沈める

行方のない
ありふれた翼だよ恋人
たちまちに広がる
春の静寂には指をおくれよ

むさぼりあった呼吸の音が
鏡面の湖の上を飛ぶ
頭上に奈落を張り巡らし
見棄てた秘密を
打ち明けたなら


散る花に似た美しさ
きみには宿ると伝えよう

そこの先には月が待つ
これは決して想像ではない
 
 
 


自由詩 想像 Copyright ルイーノ 2007-08-17 23:45:03
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