水辺のタトゥー
恋月 ぴの

駅ナカのカフェで一休み
こんな時は甘いもの欲しかったりして
ストレス解消だからと自分に言い訳

隣の席にはおんなのひとがふたり
何やら話し込んでいる

意味深そうな話
そして遠い世界の匂いのする話
隙の無いおしゃれと
よく手入れのされた指先と

エステにでも行っているのかな

毎晩お酒を飲んで
おとこのひとにひとときの夢と優越感を与えて

わたしにはできそうもないよな
誰かが言っていた
頭の回転良くないと務まらないんだって

小学校とか通っているときに書かされた将来の夢
彼女達はなんて書いていたのだろう

おとこのひと達の好奇心のなかを
ネオンテトラのように泳いで
ふりまく笑顔で値踏みするおとこのひとの懐具合

彼女達を否定する訳でもないし
軽蔑する訳でもなくて

人生の裏の裏まで知り尽くした
そのこころに映るのは
わたし達には決して見ることのできない

生きることの本質と夢の在り方





自由詩 水辺のタトゥー Copyright 恋月 ぴの 2007-08-17 20:43:00
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