少しだけ、怖いお話
由希

あなたは極相林というものを知っていますか?

植物群集が遷移し
いちばん最後に行き着く姿のことです

つまり、木々の集落が
ヒトの干渉を受けなかった場合の、
最終形態



では、極相林においては
酸素と二酸化炭素の供給量が釣り合ってしまうということは

知っていますか?

そうです、
作られた酸素は同じ場所で使い切られてしまいますから

当然、私たちの分は無くなってしまいます



ここからは、少し考えてみましょう

もしも、植物群が動物群に意地悪な形で進化を遂げたら
どうなるでしょう?



確かに、動物の死骸は
植物にとって有効な栄養源となり得ます

けれど、植物は光合成という独自のシステムで
自らの活動エネルギーを確保することができるではありませんか



もしも、彼らが私たちを切り捨てようとしたら?

自分たちの身を、伐採や捕食から守ろうとし始めたら?



恐ろしいことに、なるとは思いませんか?



飽くまでも、仮説

けれど、その仮説が仮説でなくなる日は
案外近いのかも知れません…


自由詩 少しだけ、怖いお話 Copyright 由希 2007-08-15 20:55:37
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