あなたの目が 覚めたら   ⅲ
もも うさぎ

モーリス ラベル


序奏とアレグロ より



その砂浜の空間に
いくつかの扉が 出現して
それぞれは現実とつながっている

それらはあたしたちの住む
少し湿気た森ではなく

あたしたちの住む 暑い 夏の姿へと繋がっている

扉を行き来する
現実世界の あのオフィスの 人々
彼らが去ってしまった後に

シャンデリアのような 月が ぽつん と 残っている


鳥籠には あたし


鳥籠の柵を辿っていく
どちらが内側で
どちらが外側なのか
歩く

シャンデリアの りんとなる 音

柵を 回転木馬が 駆け抜けていく
すべてを絡めとるように それらは 浪々と動く

そして花畑へ


ゆく場所は 同じでも
そこで会うのは とても難しいのだから
待ち合わせを 決めておいたらいい と 
一面の花たちの 歌う


花 花 花

花嵐

そして 月と 砂漠



そして 花嵐!!





そして消える


残ったのは
薄曇った あなたの部屋の
ソファに座ったあたしたち

そっと後ろから 抱きしめられる

感覚



のみ











〜あなたの目が 覚めたら〜



自由詩 あなたの目が 覚めたら   ⅲ Copyright もも うさぎ 2007-08-15 03:24:10
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