モーリス ラベル
序奏とアレグロ より
その砂浜の空間に
いくつかの扉が 出現して
それぞれは現実とつながっている
それらはあたしたちの住む
少し湿気た森ではなく
あたしたちの住む 暑い 夏の姿へと繋がっている
扉を行き来する
現実世界の あのオフィスの 人々
彼らが去ってしまった後に
シャンデリアのような 月が ぽつん と 残っている
鳥籠には あたし
鳥籠の柵を辿っていく
どちらが内側で
どちらが外側なのか
歩く
シャンデリアの りんとなる 音
柵を 回転木馬が 駆け抜けていく
すべてを絡めとるように それらは 浪々と動く
そして花畑へ
ゆく場所は 同じでも
そこで会うのは とても難しいのだから
待ち合わせを 決めておいたらいい と
一面の花たちの 歌う
花 花 花
花嵐
そして 月と 砂漠
そして 花嵐!!
そして消える
残ったのは
薄曇った あなたの部屋の
ソファに座ったあたしたち
そっと後ろから 抱きしめられる
感覚
のみ
〜あなたの目が 覚めたら〜