BLUE HEAVEN
青色銀河団


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[ある朝わたしは鴎になりました。]中央区扇橋の橋桁の巣がいちおうマイホームです、っ
てつぶらな瞳で。(空間に名前をつける [千代田区神田小川町1-7-1]を[業火に焼かれる
睡蓮]と呼ぶ]があるのだとしたら(時間に名前をつける[時間の名前]美しいだけの[Un
certain matin je suis devenu la mouette] にぶいつばさのための数学[x^n + y^n = z^n]
、液体となった太陽がしたたる伝言は、青い波間に浮かぶ霧の神なのです。ねむる
音階は広く、終わりしかゆるされるしみなのです。[Некоторых я стал утром чайка]



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白いぼくの部屋に恋する女の子がいます。
その女の子は白い奇妙な椅子を
ぼくの部屋にはこびこんで、
ちょこんとすわっています。
窓のそとには
純粋な蜜柑の集落が
どこまでも続いています。
青い雲の隙間から
神様の影さえ見え隠れします。
窓は、
生きている人間のはじまりなのだから、
春の訪れにより
きみも運河の色も変わってゆきます。

花びらがながす血とともに
心に刻まれる雨の底。
土手づたひの水の音について
蛇行する来世の予感に満ちたドアの前。
晴れときどき、
金色の、
きみは轍に向って燃える女の子。
すがたは見えませんが、
ともだちも髪もなまえのように泡になり、
風ももうすぐおわります。
きみのこと、
ぼくのこと、
どうか
苦しみが何かを変えてゆきませんように。


椅子に座ってみる夢では
囁く初恋さえ
さなぎのようです。





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[Una determinata mattina mi sono trasformato in nel gull]あなたのつねに1メート
ル上空の地上権を占拠する甘やかな姉の匂い。ぼくらの夏は銀の鈴を鳴らして。昨日の
誰かの糸のような美しさで、ぼくらの声は砕け散ってしまった。真赤な叫びだけを残し。






自由詩 BLUE HEAVEN Copyright 青色銀河団 2007-08-15 00:15:50
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