かいだん
ゆるこ

 
 
うだるような夏空
じりじりと足が溶け始めた寂しさに
わたしは階段を徘廻する
 
今へと続く段の隙間に
モノクロ写真 一枚
 
 
誰だっけ。
 
 
容量を越える思考は
片っ端から消している
きっと昔大切だった人だ
 
 
渇いた眼球
セミの断末魔
汗だくの皮膚
黒いワンピース
 
理不尽にはみだしてしまったわたしは
携帯ストラップを持ちながら
時間軸を永遠と徘廻する
 
(果てはいつもみえないの)
(あまりにも目をつむりすぎたから)


自由詩 かいだん Copyright ゆるこ 2007-08-14 15:28:43
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