ヨル
北大路京介

隣の部屋に 弟と 女の影が吸い込まれ
床がきしむ音がする 蛍光灯の紐が揺れる

少し大きいボリュームで B.G.Mをかけてれば
話しは しづらいだろう マスキングのつもりかな


あの子によく似た女優の VIDEOを借りて見てみる
画面のムコウと同じように きっと ヤツに脱がされてる

するどく尖った女でも 弱い場所を抱かれれば
曲線でできた姿を やわらかな気に変えるだろう

 緩やかに舞い落ちた夢を 切り刻んで窓から撒き散らしても
 心の奥から叫ぶ声 響かずに消えていく




財布に入れてる避妊具は いつになれば使われる
ずっと前から持ってるが 古くなってもいいのかな

別れる直前に女が 針で穴をあけたとか
そういう話は恐いけど 憧れてたりもしてる


白く 狭い 背中を 後ろから抱きしめたい
タバコの香りが鼻につき 急に衝動は消え失せた

夜の時間を愛しても 陽は昇ってきてしまう
昇っても また沈むのに 暖かく僕も照らす

 うすく透けて見えているライン 僕も同じように縛られたい
 あの太陽もいつかは この地球を飲み込んでいく


 緩やかに舞い落ちた夢を 切り刻んで窓から撒き散らしても
 心の奥から叫ぶ声 響かずに消えていく


自由詩 ヨル Copyright 北大路京介 2007-08-14 12:36:19
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