美白なんかしない
風音

真夏なんだもの、
海へ行こうと彼が言う。

そこには豊かな海があった。
ちいさなかわいい生き物が、
澄んだ水を泳ぐ小魚が、
思っていたより
生気に溢れた
あまりにも豊かな海が。

こうなったらもう海へざぶんと飛び込もう。

海には一瞬私の形が残り
小さな泡が浮き立つ。
しょっぱい水を少し飲んで
二人で大笑いして
夏を楽しもう。

真夏はこんなにも短いんだもの、
美白なんてしてるヒマはない。


自由詩 美白なんかしない Copyright 風音 2007-08-12 13:14:42
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