夏、終わり
暗闇れもん

赤く染まった空

蝉の抜け殻を踏みしめながら

少し離れて歩いた

くしゃっという音

ウルサイくらいの蝉の声

手の届く範囲にあるのに

勇気が無い俺

片手に持った雑草を振り回しながら

少し離れて歩いた夏

もう少しなのに

勇気が無い俺

あと少しで君の手に届くのに

つなぐ側の手は

名もない雑草を握っていた

近くて遠い距離

影のように

広がっていく



風が冷たく感じた




自由詩 夏、終わり Copyright 暗闇れもん 2003-08-25 20:43:34
notebook Home 戻る