わたしのともだちに
こにし なな
と、いうこがいました
わたしは、あめあがりのそらがだいすきな
そのこを
こにじちゃん
と、よんでいました
こにじちゃんは、とってもロマンチックなこで
『にじのタモトにはね たからものがうまってるのよ』
いっぱいにむねをはって
そう、いうのです
しーちゃんや、たっくんは
それをいっつも ウソ だといっていました
こにじちゃんは ウソ といわれると
したをむいて、 つまさきでじめんを こつこつ と、けるのです
(こにじちゃん。わたしはしんじてるよ)
わたしはこにじちゃんが
じめんをけってできたあなに
ちいさなてがみをいれました
【ごめんね。たすけてあげられなくて】
てがみのないようはいつもおなじです
あるよるのこと
こにじちゃんがいなくなりました
わたしのいえのげんかんのノブに、かみぶくろがかかっていて
なかに、かみぶくろのおおきさにふつりあいな
ちいさなてがみがはいっていました
【はーちゃんへ。いつもおてがみありがとう。
あたしはちがうところにいきます。ばいばい】
よむにつれ、じがちいさくなっていくこのてがみは
まぎれもなく、こにじちゃんのじでした
大人になり、結婚し、私は女の子を産みました
名前は、
小虹
にしました
幼稚園のときの友達なんて、ほとんど覚えていないのに
こにじちゃんだけは
鮮明に思い出せて
水をまいたときにできる小さな虹に
いつも
彼女を思い出すのです