足跡
北野つづみ

雨上がりの庭に 光は柔らかに落ちて
ひとつの 足跡を照らす
くっきりと
けれども静かな 陰影で
  
  飛ぶ鳥が
  地上に触れていきました
  生きることの重さを
  自らの翼にのみ課すことなく

そうして再び 飛び立った
いまはどの空を飛んでいるのか

 (なぜわたしは、ぬかるみばかりを
  作ってしまうのだろう)
 
 (なぜ、ひとりで苦しみに
  喘ぐのだろう)


二〇〇七年六月三日


自由詩 足跡 Copyright 北野つづみ 2007-08-10 18:01:18
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